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郡山市の家庭教師【東京大学卒】

「公」と「私」の区別の動揺

国家の性質の変化

「ある人の支配領域は、どの部分か」という問題は、公的領域に属することになります。

支配領域の確保

個々人の支配領域を認めたとしても、個々人の能力は、平等ではありません。そのため、能力のある者は、能力の低い者に対して有利に行動することができます。すると、身体以外の支配領域を持たない者が出現します。

この状態の個人は、他者に支配されずには、社会に参加することができません。これは、国家が一元的な権力であることに矛盾します。したがって、国家は、能力が乏しい者の支配領域を確保しようとします。

その確保のために、国家は、個人間において支配領域を調整することになります。

例えば、民間の取引は、次のような法律によって統制されています。

  • 労働法
  • 消費者保護法

支配の促進

国家が自己を存続させるためには、一定の財を得ることが必要です。

生産が簡単な財は、国家が自ら生産することができます。しかし、生産が難しい財は、生産を専門家に委ねざるを得ません。すると、国家は、その専門的な知識を持った者によって、部分的に支配されることになります。これは、国家が一元的な権力であることに矛盾します。

したがって、国家は、生産が難しい財の生産を個人に委ねることになります。国家が必要とする財は、必ずしも、市場において強い需要があるわけではありません。したがって、そのような財を生産するためには、国家が個々人の支配領域を調整することが必要になります。

付加価値税

国家が個人に安定的に税を課すためには、個人が市場で生み出した付加価値を対象にすることが必要です。なぜなら、価値が発生していない時に税を課せば、社会が保持する価値が減少してしまうからです。

国家が安定的に税収を増やすためには、個人が市場で価値を生み出すことを促進することが必要です。

まとめ

以上の検討から、国家が必ずしも個々人の支配領域を制限しないことが分かりました。

私的領域の性質の変化

現代では、大きな経済力や技術力を持った民間企業が現れています。この巨大企業は、人々の暮らしに大きな影響力を持ちます。

民間企業が提供する物やサービスは、確かに、とても便利なものです。しかし、逆に言えば、人々は、生活を提供される物やサービスに依存するようになります。例えば、スマートフォンは、非常に便利であり、それ無くして生活することが考えられなくなりました。

ここでは、一種の権力関係が生じかねません。人々は、民間企業に対する依存を背景に、民間企業に従わざるを得なくなることがあります。

私的領域は、必ずしも、人々が自由に関わり合う領域ではなくなっているのです。

「公」と「私」の区別の動揺

国家は、個々人の支配領域を調整します。また、個々人は、公共領域を生み出します。したがって、「公」と「私」の区別は、必ずしも、有用ではなくなります。

プライバシーの変化

プライバシーは、近代においては、支配領域における情報が必要なく他者に渡らないことを意味するのでした。

しかし、公私の区別が消滅しつつある現在では、次のことが明らかではなくなります。