実績ある上質な教育をお子様にも。 / 050-5327-2073
郡山市の家庭教師【東京大学卒】

「公教育」と「私教育」

定義

近代社会は、次の2つに分けられるのでした。

次の2つを決することも、公的領域と私的領域に分けられます。

また、国家が個人の学習内容や学習方法を統制するためには、国家が個々人を教育することが必要です。

結局、近代教育は、次の2つに分けられることになります。

公教育
教育のうち、内容や方法が国家の意思に基づくもの
私教育
教育のうち、内容や方法が個人の意思に基づくもの

公教育について

公教育は、近代国家の成立とともに、国家の教育関与が行われるに及んで登場した概念である。今日、一般には公的な性格をもつ教育であって、法律上では国または地方公共団体などによって管理される教育をいう。

今野喜清ら『新版学校教育辞典』

公教育の必要性

公的領域に関する知識と技術

近代社会の公的領域は、個々人が持つ特定の信仰や思想から分離した領域です。

他方、個々人の学習においては、それぞれが身に付けるべきだと考える知識や技術を選ぶことになります。この学習は、必ずしも、公的領域における振る舞いを内容としません。

したがって、公的領域を存続させるためには、国家が公的領域における振る舞いについて国民に教育することが必要です。

教育市場に対する介入

教育市場には、情報の非対称性があります。したがって、教育を市場に任せた場合、必要な教育に対し十分な需給が生じない可能性があります。

公教育は、国家という権威によってシグナリングを付されています。そのため、国民は、公教育の内容を身に付けるために投資を行うようになります。

公教育にかかわる統制

教師に対する統制

公教育における教師は、原則として、国家の意思に沿って教育を行わなければなりません。それを確保する方法としては、以下のようなものがあります。

  • 免許の取得義務
  • 教育の内容や方法の提示

保護者や生徒に対する統制

国家が教育内容を定めるためには、保護者の教育の自由を制限することが必要です。なぜなら、国家が定めた教育は、必ずしも、保護者が求める教育と一致しないからです。

したがって、国家は、公教育を行うために、保護者に対して義務を課すことになります。義務付けられた教育は、義務教育と呼びます。

公教育の難しさ

公教育は、必ずしも上手く行きません。しかし、そのことは、全てが公教育の教師に帰責すべきでもありません。

以下では、「学校」という言葉を、公教育のための学校という意味で用います。

学校と職業

公教育では、原則として、職業教育が行われません。

学校の存在意義は、教育において、生徒を一般の保護者から分離することです。他方、職業教育では、生徒がその職業を営む大人の保護下に置かれることになります。したがって、職業教育は、原則として、学校の存在意義に矛盾します。

なお、例外は、「学校の教師」という職業の教育です。生徒は、学校で、教師の保護下に置かれます。そのため、「学校の教師」という職業の教育を受けることは、可能です。

現代の学校では、学校の生徒のほとんどは、将来的に学校の教師になりません。そのため、学校では、職業教育が行われないことになります。

学校教師と権威

権威とは、内容に関わらず正しいと納得させる力を意味します。例えば、患者は、医師の指示内容が正しいかどうか自分で判断することができません。しかし、多くの場合、正しいと認めて従います。この場合、医師は、患者に対して権威を持っていることになります。

教育のためには、生徒に学習するよう促すことが必要です。そのためには、学習内容や学習方法を指示することが必要です。

学習内容や学習方法を指示する方法の1つとして、生徒に「その内容や方法が必要だ」と思わせることがあります。生徒は、どの学習内容や学習方法が必要なのか自分で判断することができません。したがって、教師は、権威によって指示することができそうです。

しかし、学校教師は、ほとんどの生徒に対して、教育者としての権威を持つことができません。なぜなら、生徒がこれから就こうとする職業について教育する資格を持たないからです。

したがって、学校教師は、権威でない方法で生徒に学習内容や学習方法を指示することが必要です。

「生徒の主体性」

そのため、学校教師は、次の2つのことを同時にしなければなりません。

  • 「生徒の主体性」なるものを尊重すること。
  • 特定の学習内容や学習方法へ誘導すること。

そのためには、生徒を理解し尽くすことが必要です。学校教員は、その学習内容や学習方法が必要であることに根拠づけることができません。そのため、生徒に「しなければならない」ではなく「したい」と思わせることが必要になります。

しかし、学校教員が生徒を理解し尽くすことは、著しく困難です。

まとめ

以上の検討から、学校教員が教育を行うことは、著しく難しいことが分かりました。

私教育について

私教育は公教育以外の部分を指し、具体的には家庭における教育を始め、学習塾・予備校での教育、企業内教育などが私教育に相当する。

今野喜清ら『新版学校教育辞典』

そして、私教育は、公教育でない教育を指します。つまり、私教育は、次のような教育です。

運営者
民間人
教育費
私費

私教育の例としては、次のものが挙げられます。

私教育の可能性

私教育が可能となる根拠は、次の4つです。

  1. 富裕化
  2. 家業の喪失
  3. 高学歴化と社会の情報化
  4. 少子化

高度経済成長期に進行した富裕化は、若い母親たちに、子供の教育によりいっそうの関心を払うだけの時間的・経済的余裕を生み出した。同時に、「家業の喪失」によって、ほとんどすべての社会層の親が、子供の教育・進学に無関心ではありえなくなった。また、高学歴化や社会の情報化は、育児や家庭教育の細かなノウハウをどの階層の親でも手に入れることを可能しただけでなく、子供のことで学校や行政と交渉するだけの知識やノウハウを身につけたりすることも可能にした。「少ない子供を大事に育てる」親の志向は、進行する少子化の趨勢すうせいにより、ますますあたりまえのこととなった。